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医学部入試の特徴から勉強法、志望校選びまで…医学部突破をめざすための基礎知識

医学部入試の特徴から勉強法、志望校選びまで…医学部突破をめざすための基礎知識

2科目必須の理科はどう学ぶべきか

 さらに医学部受験では、「理科」を重視する傾向が顕著です。国公立大学の二次試験や、私立大学の一般選抜では、理科の物理・化学・生物のうち、2科目を必須としている大学が大半です。とりわけ私立大学では、理科2科目の各配点を、英語・数学と同等にするなど、理科のウエートを高くする大学も目立ちます。苦手な分野もあると思いますが、大学によっては必須科目を決めていることもあります。地学で受験できる大学は東京大学のみです。一方、必須科目に指定されている場合があるのは物理と化学で、自ずとこの組み合わせを選ぶ受験生が多くなっています。

 医学とは直結しないイメージの物理ですが、段階を踏んで問題を解決する論理的思考力は、医療現場では不可欠。大学側としては入試でその能力を測りたいのかもしれません。実は受験生にも物理は人気の科目です。他の科目と比較して、一定の知識を身につけると「点数を取りやすい科目」と位置付けられているためだと思われます。

 対照的なのは、暗記量が多い科目の代表の生物です。広く自然現象に興味関心を持つとともに、こつこつと努力することが求められます。時間はかかりますが、暗記科目は一度覚えてしまえば、安定した点数につながることが強みであり、物理にありがちな「一つのケアレスミスが、以降の問題の失点になる」というようなリスクが少ない点もメリットです。化学と連動する範囲も多く、しっかりと知識を積んでおけば、理科2科目を得点源にすることも可能です。何より、医学部での学びに直結する科目なので、実力をつけておいて損はないでしょう。

 科目ごとの特徴は顕著ですが、ほとんどの大学では選択する科目によって有利・不利が生じることはありません。自分の得手不得手・興味を考えながら、勝負しやすい科目を選べば道は開けます。

国公立を狙うか、私立に絞るか
受験対策は大きく異なる

 国公立大学と私立大学では、受験に必要な科目数が異なります。

 国公立大学では、一部の入試方式を除き、共通テストの受験が前提で、共通テストで必要な科目にプラスして二次試験の対策が必要となります。科目数が多い半面、倍率は低めに出る傾向がありますが、国公立大学の受験では、第1段階選抜が実施されることがあるため共通テストの点数は非常に重要です。必須科目や点数の換算方法は大学によって大きく異なるため、事前の確認は不可欠です。自己採点の結果次第では、二次試験の出願先を変更することも踏まえて、志望校の選択肢を広げておきましょう。また、一部の私立大学では、共通テストの点数で学力判定を行う「共通テスト利用選抜」を実施している大学もあるので、〝進学先の確保〟に検討するのも一手です。

 共通テストは、2020年度まで実施されていた「大学入試センター試験」に比べると、問題の文章量が多くなり、読解力や情報の分析・取捨選択力、思考力が求められる問題が増えています。さらに、2025年度入試からは新しい学習指導要領に基づき、「6教科・30科目」から「7教科・21科目」へと変更になりました。新しい教科として「情報」が加わり、受験生には負担が増えることになります。新教科の「情報」はもちろん、「地理歴史」「公民」「数学」など、科目に変更点がある教科の出題傾向は、当面つかみにくくなることが想定されますが、変更点を過剰に意識するよりは、学習の基礎固めを念頭に置いて、勉強に励むことが大切です。

 続く二次試験の科目は、英語・数学・理科2科目の4科目型が定番ですが、3科目型や5科目型で行う大学もあります。近年では、二次試験の成績を重視する傾向も目立つため、試験科目や配点比率などに変更がないか、注意を怠らないようにしましょう。

 一方、私立大学の受験では、共通テストを利用しない一般選抜のみの挑戦であれば、入試科目数は少なくて済みます。その分、志願者数は多く、倍率は極めて高くなります。

 国公立大学の後期日程(2026年度入試は50大学中で13大学が実施)と、私立大学の共通テスト利用選抜(2026年度入試では32大学中で18大学が実施)は例年、高倍率・高難度になる傾向があります。特に前期日程の実施がない山梨大学を除き国公立大学の後期日程は、あくまでも最後の手段ととらえて臨みましょう。

 近年では医学部でも、「総合型選抜」「学校推薦型選抜」といった一般選抜とは別枠を設ける大学が増えています。国公立大学でもすでに「総合型選抜」は16大学、「学校推薦型選抜」は45大学に設置されています。非常に高いレベルの学業成績が必要なうえ、一般選抜での合格に匹敵する学力が求められるほか、学業以外での活動なども重視されるため、決して「楽な入試」ではありません。しかし、チャンスが増えるという点では、視野に入れる価値は大いにあります。

 いずれにしても、志望する大学によって、勉強すべき内容や範囲は大きく変わります。自分はどんな環境で学びたいかを念頭に、早い段階で受験パターンを決定しておくことが、合否を分ける重要なポイントといえるでしょう。

偏差値はあくまでも目安
現役生の実力は秋以降に伸びる

 志望校選びの際は、「偏差値」に着目しがちですが、偏差値のみで志望校を選ぶことはお勧めしません。偏差値とはあくまで、模試などの結果に基づき、各大学の難易度を数値化したものに過ぎません。その年の受験生のレベルや、志願者数の変動により、実際の難易度が大きく変わる可能性もあります。自分の現時点での学力の立ち位置の確認にはなりますが、あくまでも一つの目安程度にとらえておけばよいでしょう。

 特に現役生の場合、高校3年生の模試成績では、偏差値が低くなる傾向が顕著です。なぜなら、現役生のみが受験する高校1・2年生の模試とは異なり、既卒生も参加するためです。夏までの模試では、教科によっては、高校での履修範囲に合わせて出題範囲も絞られるため、経験値の高い既卒生は点が取りやすく、いきなり成績が下がった現役生は自信を無くしがちです。ここでは場慣れと力試しの場ととらえ、弱点や苦手を知り、その克服に努めておけば、秋以降の模試では成果が一気に出るはずです。

6年間の学費の相場は?
志の高い学生には
学費が免除される方法も

 志望校選びの際に外せないポイントとしては「学費」もあります。国公立大学の6年間の学費は、標準額で約350万円。私立大学は幅が広く、6年間の総額で、少ない大学は2000万円弱、多い大学になると4000万円代半ばになります。国公立大学に合格すれば、他学部と同程度の学費となりますが、自宅からは通えない地域の大学になる率も高く、下宿代などの生活費が加算されることもあります。国公立大学だけに絞るのか、私立大学であればどの程度までは許容範囲か、マネープランを家族で共有することが大切です。

 一定の条件を満たすことで、授業料がかからない大学や、学費の負担が軽減される大学もあります。前述の自治医科大学では、6年間にかかる学費が貸与され、卒業後に9年間、指定された医療機関等に勤務した場合は、返還が免除されます。他にも、埼玉県所沢市にある防衛省管轄の防衛医科大学校は、入学と同時に防衛省の職員となるため学費はかからず、毎月、学生手当が支給されますが、卒業後は、医療資格を持つ自衛官として勤務する義務が生じます。福岡県北九州市にある産業医科大学は「産業医(事業所で働く人の健康を維持・増進する業務に携わる医師)」を養成する私立大学です。産業医として所定の年数を勤務することで、貸与された学費の返納義務が免除されます。

 医師の働き方は多様であり、「なりたい医師」像を実現するためには、進路の選択肢も異なります。医学部受験には高いハードルが複数ありますが、「医師になる」という決意があれば道はいくらでも開けます。長期的な視点で人生を考えながら、ポジティブに挑戦してください。

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